比較優位

経済学の中には「比較優位」と言う考え方が有ります。

自転車競技に限った事では無いのですが、何かに取り組む時必ず比較優位的観点から自分の役割を判断する事が多くあります。自転車のレースでもその時のレース状況や走っている選手など、その場でわかる範囲を分析し比較優位を考え自分がどう動いたら有利に働くのか?を判断する事が多いです。また分析する選手は分析される場合の事も考えるでしょう。

これは僕が作ったForzi:k山梨と言うチームの練習に取り入れてます。

これを知る事で、自分の力とライバルの力を上手く使い、実力以上の結果を出せるようにする事ができます。理論的で机上の空論かもしれません。理想と現実は違うと言う人も居るかもしれません。しかし、こういう考え方も有るんだよ。こう言う方法も一つの手段だよね。と言う事を理解するだけでも時には自分の幅を広げる可能性が有ると言う事も理解して挑めばまた違ったレース展開が生まれるかもしれません。

僕がパワーメーターを装備しながらもパワートレーニングに固着しない練習を中心にしているのも、この比較優位と言う考え方からトレーニング方を模索しているからです。もちろん必要に応じて何分何ワットと言ったようなパワートレーニングを取り入れる事も有りますが、大半はある取り組み(トレーニング形態)の結果として何ワットだった。と言う使い方がメインです。

そんな比較優位と言う考え方をちょっと紹介。

比較優位とは経済貿易をすると貿易をした2つの国に良い事があると言う理論です。例えば生産力のとても強い先進国も、まだ発展途上中の国と上手く貿易をおこなえば両国にメリットが有ると言う理論です。

まずはこの表を見てください。

  小麦の生産 自動車の生産
  労働者 生産量 労働者 生産量
A国 100 1000 100 500
B国 100 900 100 300
総生産量   1900   800

たとえばA国とB国の小麦と自動車の生産を比較した表ですが、これを見るとA国はB国に対して2つとも生産力が高い事がわかります。この2つの国が力を合わせた場合の総生産量は小麦が1900で自動車が800です。A国はB国より両方の生産で優位です。これを絶対優位と言います。自転車に置き換えれば、絶対エースとその他多数のアシストと言ったところでしょうか・・・。

それぞれの生産を比較してみると、B国はA国よりも小麦の生産で0.9%の生産力を持ち、自動車の生産で0.6%の生産力だと言う風に置き換える事が出来ます。自転車選手に言い変えれば、このアシストは絶対エースよりも平坦区間での走りは若干劣る程度だけど、上り坂では一気に遅れてしまう的な感じでしょうか?。

頭を貿易に戻します。例えば、A国は、B国よりも圧倒的に生産率の高い自動車生産に力を入れて、その代わり、自国生産と比べて0.9%しか劣らない小麦の生産をB国に任せるとどうなるでしょうか?。

  小麦の生産 自動車の生産
  労働者 生産量 労働者 生産量
A国 20 200 180 900
B国 200 1800 0 0
総生産量   2000   900

A国は小麦の生産を20人に減らし、自動車の生産に80人増員しました。B国は逆に自動車の生産を止めてしまい、小麦の生産に100%の力を注ぐ事にしました。すると・・・結果は総生産量で小麦の生産量は1900から2000に増え、自動車の生産は800から900に増えました。これを元の生産数に分けて、協力した事で増えた増加分を2等分にすると、A国は1050の小麦と550の自動車を得る事ができ、B国は950の小麦と350の自動車を得る事が出来た事になります。労働者の数は同じなのに総生産数が増す、これが比較優位と言う考え方です。

自転車レースで言えば、たまたま逃げ集団に飛び乗る事が出来たけど、他の逃げメンバーは自分よりも絶対的に力が強い選手ばかりだった。なんて事があるかもしれません。しかし比較優位と言う考え方を理解できていれば、自ずと自分の役割が分かり、それを実行する事で逃げ集団全体に良いサイクルになるわけです。

まさに実戦でこれが生かされたのは2011年11月に出場した高石杯での逃げ集団でした。

今回は、小麦と自動車に置き換えて書きましたが、自転車を速く走らせる為には色々な力に細分化できます。まず自転車レースを戦う為に必要なテクニックはそれぞれ何があるだろう?と言うところから考え、自分のステータスを知ること。そしてまずどれから練習して行けば実戦により早く生かしていけるか?優先順位を付け、練習仲間とのステータスとの比較優位を図りトレーニングをすると勝利への近道になるのでは?と言うのが僕のトレーニング理論です。

FTPのUPや持久力のUPと言うのも、もちろん大切ですが、どうせ同じ時間トレーニングをしなければならないのであれば、先頭交代のスキルUPと持久力UPのトレーニングを上手く組み合わせて出来ないか?とか、いわば一石二鳥なトレーニング方法だったり切磋琢磨して”強く”なる方法をチョイスして行った方が効率は高まるはずです。だからチーム(複数人)で練習すると言う大きな意味が有るし、僕が実走行での練習にこだわる理由なのです。ただ、このトレーニング理論もまだまだ模索中です。

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